大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)560 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人伊藤嘉信の上告趣意第一点について。

論旨は訴訟法違反の主張であるから適法の上告理由にあたらない。

所論(一)のAの検察官に対する供述調書は原判決の証拠として採用していない

ものであるから仮にその証拠能力がないものであつたとしても原判決の違法を来さ

ない。また原審におけるAの証人尋問調書については論旨は原審が適法にした証拠

の価値判断を争うに過ぎないものである。所論(二)の被告人の検察官に対する供

述調書が所論の如く任意性のないものであることは記録上認めることができない。

そしてその供述が自白である場合は任意性の認められる限りは、特に信用し得べき

情況の有無を問わないこと刑訴三二二条の明定するところである。従つて右供述調

書は証拠能力がないという所論は理由なきものである。所論(三)のAに対する単

純収賄被告事件の冒頭手続における陳述記載については論旨は原審が適法にした証

拠の価値判断を争うに過ぎないものである。以上要するに原判決には所論の如き訴

訟法上の違法も存在しない。

同第二点について。

論旨は法令違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由にあたらないのみならず、

原判決の確定した事実によると被告人の本件贈賄の日時は昭和二四年五月初旬頃で

あつて所論の如くAが転任後である同年七月上旬の末項であるとは確定されていな

いのである。従つて所論は原判決の確定しない事実を前提とする立論であつて採る

を得ないものである。

同第三点について。

論旨は結局事実誤認の主張に帰するから適法の上告理由にあたらない。

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なお本件につき刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号により主文のとおり決定する。

この決定は裁判官全員一致の意見である。

昭和二八年六月一二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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